Skip to main content
← パブリックライブラリ

砥石を使った包丁の研ぎ方

by MASTER
トマトの皮で刃が滑る、玉ねぎを切ると目にしみるといった症状は、切れ味が落ちてきたサインです。おせちの飾り切りや年末年始のごちそう作りの前に、家庭の三徳包丁を中砥石1本で研いで切れ味を戻しましょう。
ペチットアプリに保存
このルーティンをペチットアプリで開いて、自分のライブラリに追加できます。

内容のプレビュー

砥石を使った包丁の研ぎ方

角度を一定に保つのがいちばん大事

刃を砥石に対して約15度に当てます。目安は、峰(刃の背)の下に10円玉を2〜3枚重ねて挟んだくらいの高さです。仕上がりを左右するのは力の強さではなく、往復のあいだ角度がぶれないことです。手首を固定し、肘から先ごと前後に動かしましょう。左手の指2〜3本は、研いでいる区画の刃の平らな面に置いて軽く押さえます。指先は刃先から1cm以上離しておいてください。初めての人は、刃先から幅2〜3mmの斜面(刃の光っている帯)に油性マーカーを塗り、5〜10往復研いでみてください。帯全体のインクが均一に消えていれば、角度はちょうどいいです。峰側だけ消えるなら角度が寝ていて、刃先ぎりぎりだけ消えるなら立てすぎです。

回数ではなく「カエリ」で進み具合を判断する

研いでいる面の反対側を指の腹でなで、ごくわずかなザラつき(カエリ)を感じられたら、その部分は研げています。刃を「先端・中央・根元」の3区画に分け、区画ごとにカエリが出るまで研いでから次の区画へ移ります。カエリは、指を刃と直角方向に、峰から刃先へ向けてなでて確かめてください。刃に沿って指を滑らせると切ります。表面(右利きなら、刃を自分に向けて置いたときの上側)でカエリを出し、裏面で軽く研いで取る、という順番にします。先に刃先を作ってから整えるほうが、少ない往復で済むからです。

砥石と包丁の組み合わせを選ぶ

  • 基本は中砥石 #1000の1本だけ:家庭の三徳包丁・牛刀(両刃・ステンレス)なら、これで十分切れるようになります。価格は2,000〜4,000円程度です。
  • 刃こぼれがある・何年も研いでいない:荒砥石 #220〜400で欠けを消してから #1000 に進みます。この場合、作業時間は倍ほどになります。
  • 刺身や飾り切り用にもっと鋭くしたい:#1000 の後に、仕上げ砥石 #3000〜6000を各面10〜20往復だけ追加します。
  • 水に浸ける時間がない:表面を濡らすだけで使える「吸水不要(スプラッシュ)タイプ」を選びましょう。
  • 出刃など片刃の包丁:表を刃の角度どおりに研ぎ、裏は砥石にぴったり寝かせて数往復でカエリを取るだけにします。
  • セラミック包丁:普通の砥石では研げません。ダイヤモンド砥石を使うか、メーカーの研ぎ直しサービスに出してください。

時間をかけるところ、省くところ

時間をかけるのは表面の研ぎで、全体の6割はここに使います。裏面は区画ごとに5〜10往復で十分です。やりすぎると今度は表側にカエリが出て、行ったり来たりになります。研ぎ汁(黒っぽい泥)は流さないでください。研磨剤の役割をするので、乾いてきたら水を手で少しかけるだけにします。砥石は中央ばかり使わず、手前から奥、左右の端まで全面を使ってください。へこみにくくなり、面直しの手間も減ります。包丁が2本以上ある日は、浸水と面直しを1回にまとめ、1本あたり約25分を足して見積もりましょう。経験者は本番の料理の前日までに研ぎを済ませ、うまくいかなかったときに研ぎ直す余裕を残しています。家庭なら、#1000で1〜2か月に1回が目安です。研ぎ終わったらコピー用紙を引き切りしてみて、引っかからずにスッと切れれば成功です。

⏱ 45分★ 普通
現在
包丁の刃先が丸くなっていて、トマトの皮に刃が滑って入らず、押しつぶすように切っている。
難関
往復するうちに手首が動いて角度が寝たり立ったりし、何十回研いでもカエリが出ないまま刃先だけが丸くなってしまう。あるいは砥石の中央がへこんだまま研ぎ、刃の中央だけが削れて根元と先端が研げずに残ってしまう。
希望
包丁の重さだけでトマトの皮にスッと刃が入り、コピー用紙を引っかからずに切れるようになっている。
対応指針
  • 1つの区画を50往復以上研いでもカエリが感じられないとき
    →
    いったん手を止めて刃先の斜面に油性マーカーを塗り、5往復してインクがどこから消えるかを見て角度を直してください。
  • 研いでいる途中で刃こぼれ(光に当てると白く光る小さな欠け)に気づいたとき
    →
    #1000で無理に消そうとせず、荒砥石 #220〜400に替えて欠けが見えなくなるまで研いでから #1000 に戻ってください。
  • 砥石の表面が乾いて刃が引っかかるようになったとき
    →
    研ぎ汁は洗い流さず、手ですくった水を少しかけて表面が湿った状態に戻してください。
準備物
材料
  • • コピー用紙または新聞紙 — 1 枚
道具
  • • 中砥石 #1000 — 1 個
  • • 砥石台または濡れ布巾 — 1 個
  • • 面直し砥石 — 1 個
  • • 洗い桶またはバット — 1 個
  • • 油性マーカー — 1 本
  • • 鉛筆 — 1 本
  • • 乾いた布巾 — 1 枚
ステップ
  1. 01
    砥石を水に浸ける
    砥石を洗い桶に沈めて、細かい気泡が出なくなるまで約10分待ちます。その間に刃を光にかざし、刃こぼれ(白く光る小さな欠け)がないか確認します(吸水不要タイプは表面を濡らすだけにし、浸けたままにしないでください)。
    ⏱ 10分
  2. 02
    表面を研いでカエリを出す
    濡れ布巾の上で砥石が動かないことを確かめます。刃先を手前に向けて10円玉2〜3枚分の角度で当て、押すときに力を入れ、引くときは抜きながら、先端・中央・根元の区画ごとに裏側にカエリが出るまで研ぎます。
    ⏱ 18分
  3. 03
    裏面を研いでカエリを取る
    包丁を裏返し、刃先が向こう向きになった状態で、同じ角度のまま引くときに力を入れて区画ごとに5〜10往復ずつ軽く研ぎます。最後に表裏を1往復ずつ交互に3〜4回なで、指でザラつきがほぼ消えていれば完了です。
    ⏱ 8分
  4. 04
    試し切りで仕上がりを確認する
    包丁を台所用洗剤で洗って水気を拭き取ってから、コピー用紙を引き切りします。引っかかる箇所があれば、その区画だけ表裏を数往復研ぎ直します。
    ⏱ 4分
  5. 05
    砥石の面直しと片付け
    砥石の表面に鉛筆で格子線を引き、面直し砥石を円を描くようにこすりつけます。線が全部消えたら平らになった合図なので、水洗いして風通しのよい日陰で乾かしてからしまいます。
    ⏱ 5分