子どもの書き初めの練習と上手に書くコツ
内容のプレビュー
最初に紙の「割り付け」を決める
書き初めで一番多い失敗は、字がだんだん下にずれて、最後の字や名前が入らなくなることです。書く前に練習用紙で準備をします。まず左端に名前の列(紙の幅の約4分の1)を縦に折って分けます。次に、残りの本文部分に文字数で等分する横の折り目をつけます。折り目でできたマスの中央に1字ずつ置くと、字の大きさと位置が自然にそろいます。5字や7字など等分に折りにくい場合は、定規で長さを測って鉛筆で薄く印をつけてから折ると正確です。
- 上の余白は約3〜5cm(指2〜3本分)、下の余白も同じくらいが目安です。
- 名前は左の列の下半分に書き、下の余白を本文とそろえます。学年・組も書く指定なら、その分も含めて練習用紙で位置を決めておきます。
- 本文が2行の手本は、右の行と左の行の字の高さを折り目でそろえます。
- 清書用紙は、学校の指示がなければ軽く折り目をつけてかまいません。折りたくない場合は、折った練習用紙を下敷きの横に並べて位置の目安にします。
- 字は「マスいっぱい」が基本です。迷ったら大きめに書くほうが見栄えがします。
時間をかけるのは難しい1〜2字だけ
全部の字を同じ回数練習すると、子どもの集中力(だいたい30〜40分)が先に切れます。手本を見て「画数が多い字」「はらいが長い字」を1〜2字選びます。その字を半紙で5〜10回ずつ集中して練習し、5分休んでから通し書きに進むと、通し書きを3〜5枚に抑えられます。紙代を抑えたいときや最初の数枚は、新聞紙に大きく書いて腕の動きをつかむ方法もあります。
親は1枚書くごとに手本と並べて、直す点を1つだけ伝えてください。「この字の右はらいをもっと長く」のように場所を指して言うと、次の1枚で変わります。一度に3つ言うと、どれも直らないことが多いです。
練習を2〜3回に分ける場合、1〜2回目は清書の手順を省いて通し練習で終えます。最後の回だけ清書まで進みます。
筆・墨・姿勢で線が変わる
- 書き初め用の太筆は、根元まで全部おろして(ほぐして)使います。新品の先だけをおろした状態だと、線がかすれます。
- 墨は筆の根元近くまでたっぷり含ませ、硯のふちで軽くしごいてから書きます。1字ごとに墨をつけ直すとかすれを防げます。
- 紙は動かさず、1字ごとに体を後ろに下げて、書く字が体の正面に来るようにします。筆はまっすぐ立て、ひじを浮かせて腕全体で動かすと、太く伸びのある線になります。
- 墨汁は書き初め用の濃墨タイプが手軽です。墨を磨るのは、学校で指定がある場合だけで十分です。
- 書き終えたら、筆をぬるま湯で根元から墨が出なくなるまでもみ洗いし、毛先を整えて乾かします。根元に墨が残ると固まり、次回おろせなくなります。
- 低学年で硬筆の書き初めの場合は、筆の代わりに指定の鉛筆(2B〜6Bなど)を使います。同じ割り付けと「1点だけ直す」方法がそのまま使えます。
清書のタイミングと出来の見極め
清書は、通し練習で「手本と比べて字の位置がそろった1枚」が出たらすぐに始めます。疲れてから清書すると線が雑になるので、練習の最後ではなく調子が良い時点で切り替えるのがコツです。清書は3枚まで書いて、一番良い1枚を選びます。うまくいったかどうかは、2mほど離れて見て判断します。字の中心が一直線に並び、名前まで余白に収まっていれば成功です。書いた後は平らな場所で乾かし、表面のつやが消えるまで(1〜2時間、濃い墨をたっぷり使った字は半日ほど)折ったり重ねたりしないでください。
- 通し練習で最後の字や名前が入らなくなったとき→続けて書かずに紙を文字数分に折り直し、1字目をマスの中央に小さめに置く練習を1枚だけしてから再開する。
- 通し練習が5枚を超えて、子どもが字を雑に書き始めたとき→その日は練習を終わりにして、一番良かった1枚に赤ペンで直す点を1つ書き込み、次回はその点から始める。
- 清書中に墨を垂らしたり、1字だけ失敗したとき→そのまま最後まで書き切って練習分として扱い、新しい清書用紙で書き直す(清書は3枚までと決めておく)。
- • 書き初め用紙(練習用) — 5 枚
- • 書き初め用紙(清書用) — 3 枚
- • 半紙 — 20 枚
- • 墨汁(書き初め用・濃墨) — 100 ml
- • 新聞紙 — 10 枚
- • 書き初め用の太筆 — 1 本
- • 小筆 — 1 本
- • 書き初め用下敷き — 1 枚
- • 文鎮 — 2 本
- • 硯 — 1 個
- • 定規と鉛筆 — 1 組
- • 赤ペン — 1 本
- • 雑巾またはティッシュ — 1 組
- • 練習を見る大人(親など)
- 01書く場所と道具を準備する子どもを汚れてもよい服に着替えさせ、床の約2m×1mの範囲に新聞紙と書き初め用下敷きを敷き、文鎮・硯・墨汁を利き手側、手本を反対側の上に置く。⏱ 10分
- 02手本を見て割り付けを決める練習用紙の左端に名前の列を縦に折り分け、本文部分に文字数で等分する横の折り目をつけたうえで、手本から特に難しい字を1〜2字選んで丸をつける。⏱ 10分
- 03難しい字を半紙で練習する選んだ字を半紙1枚に1字ずつ5〜10回書き、毎回手本と並べて親が直す点を1つだけ伝え、終わったら5分休む。⏱ 20分
- 04書き初め用紙で通し練習をする1字ごとに墨をつけ直し、体を下げて字を正面に置きながら3〜5枚書き、字の中心が折り目にそろって名前まで収まった1枚が出たら次へ進む(清書しない回はここで終える)。⏱ 15分
- 05清書して名前を書き、乾かす調子が良いうちに清書を最大3枚書き、一番良い1枚に小筆で名前を入れて、新聞紙の上に平らに置き、表面のつやが消えるまで触らない。⏱ 15分